鍼灸の料金はいくら？保険が使える条件と肩こり・腰痛・美容鍼の相場まとめ

鍼灸の料金は「保険が使える場合」と「保険適用外」の二つに分けられます。腰痛症や神経痛など特定の疾患は医師の同意があれば保険を利用でき、自己負担は少額で済みます。一方で、美容鍼や疲労回復目的は自由診療となり、全額自己負担です。本記事では、相場や部位ごとの料金目安、そして料金が高めに感じられる理由について解説します。

 

鍼灸の料金表と基本的な相場

鍼灸の料金は保険の有無で大きく変わります。保険適用と適用外の目安を見ていきましょう。

保険適用の場合

保険が使える鍼灸は、自己負担の割合によって金額が変わります。初回は約2,000円前後、2回目以降は500〜1,000円程度が相場です。

3割負担の方は1回あたり1,000円未満で受けられ、1割や2割負担であればさらに安くなります。対象となる症状は以下の6疾患が中心です。

• 腰痛症
• 神経痛
• 五十肩
• 頸腕症候群
• 頸椎捻挫後遺症
• リウマチ

例えば腰痛や肩こりが慢性化し、医師の施術と一緒に鍼灸を継続する必要があると判断された場合は保険が使えます。

保険適用外の場合

保険が使えない鍼灸は自由診療となり、施術内容や地域によって料金に幅があります。部分的な施術は1回あたり3,000〜5,000円程度、全身の施術は5,000〜10,000円前後が一般的です。

さらに美容鍼のような専門的な施術では1万円を超えるケースもあります。都市部では相場がやや高く、地方では比較的安く受けられる傾向がありますが、全国的には5,000〜8,000円程度が平均的な料金です。

鍼灸で保険が使えるようになる条件

鍼灸で健康保険を使えるのは、慢性的な痛みや神経に関わる6つの疾患に限られます。「神経痛」「リウマチ」「五十肩」「頸腕症候群」「腰痛症」「頸椎捻挫後遺症」です。肩こりや疲労回復、美容目的は対象外となり、自由診療になります。

保険を利用するには、医師の診察を受けて同意書を出してもらうことが必要です。さらに、同じ疾患で他の医療機関にかかっていないことも条件に含まれます。

まとめると、①対象疾患であること ②医師の同意があること ③同じ疾患で他院に通っていないこと、この3つを満たせば保険が使えます。条件を満たせば、自己負担を抑えて継続的に鍼灸を受けることが可能です。

部位別の鍼灸料金の目安

鍼灸の料金は施術部位や目的によっても変動します。以下は一般的な目安です。

肩こり・首まわり

肩こりや首まわりへの施術は鍼灸の中でも特に需要が多く、料金は1回あたり3,000〜6,000円程度が相場です。慢性的な肩こり、デスクワークによる首の緊張、眼精疲労に伴う不快感などを対象に短時間で行われるケースが多いため、部分施術の範囲に含まれます。

腰痛・坐骨神経痛

腰痛や坐骨神経痛への鍼灸は、広い範囲の筋肉や神経にアプローチするため、肩こりよりもやや高めになる傾向があります。1回あたりの料金は4,000〜7,000円程度が目安。施術時間が長くなる場合や体全体のバランスを整える施術を組み合わせる場合は、さらに金額が上がることもあります。

膝・下肢の不調

膝関節の痛みや下肢の冷え、むくみなどに対する鍼灸は、1回あたり3,000〜6,000円程度が相場です。スポーツによる膝の違和感や加齢に伴う関節のこわばりに用いられることが多く、血流を促して筋肉の緊張を和らげることを目的としています。鍼を打つ場所が膝だけでなく下肢全体に及ぶ場合は必要な刺激や時間が増えるため、一般的な部分施術よりもやや高めの料金設定となるのが特徴です。

美容鍼（顔）

顔への鍼施術である美容鍼は、症状改善による鍼灸と比べると料金が高めです。相場は1回あたり7,000〜15,000円程度で、しわやたるみ、肌のハリ改善を目的とするケースが多く見られます。「美容鍼は自由診療のため、鍼の本数や時間、施術者の技術で料金が変わります。

自宅で受けられる訪問鍼灸の料金相場

訪問鍼灸は、自宅や介護施設に施術者が訪問して行うサービスです。歩行が難しい高齢者や慢性的な痛みで外出が困難な方が利用します。

保険が使える場合、自己負担は1回あたり500〜1,000円程度が相場です。特に高齢者や在宅療養者が対象となるケースが多く、医師の同意書が必要になる点は外来施術と同様です。

一方で保険が使えない場合は、1回あたり3,000〜6,000円程度が目安。施術料に加えて交通費が別途必要になる場合もあり、居住地や施術者の移動距離によって料金が大きく変わることがあります。

鍼灸の料金が変わる要因

鍼灸の料金は、施術範囲・時間・地域・施術者の技術・院の設備によって変わります。

大きな違いが出やすいのは「施術範囲」です。肩や首だけに行う部分施術より、全身を整える施術のほうが時間も手間もかかり、その分高くなります。美容鍼も同様で、症状改善の施術より高額になるのが一般的です。

地域による違いもあり、運営費や人件費が高い都市部では、地方より料金が上がる傾向があります。さらに、また、施術者の経験年数や専門性によっても金額に開きが出ます。

鍼灸の料金が「高い」と感じられる理由

鍼灸は他のリラクゼーション施術と比べて料金が高いと感じられることも。ここでは鍼灸の料金が高く感じられる主な理由を整理します。

国家資格を持つ専門家が施術するため

鍼灸師は「はり師」「きゅう師」という国家資格を有しており、専門的な知識と技術を習得しています。安全かつ効果的に施術を行うためには、長期にわたる学習と実習が不可欠。施術料には資格取得に基づく専門性が反映されています。

一人ひとりの体調に合わせて行うため

鍼灸は決まった流れで誰にでも同じ施術をするのではなく、患者ごとの体調や症状に合わせて行われます。同じ肩こりでも原因や体質によって刺激の強さやツボの選び方が変わり、その分きめ細かな対応が必要です。このようなオーダーメイド性の施術も料金に影響していると言えるでしょう。

使い捨て鍼や衛生管理に費用がかかるため

鍼灸では感染症対策のために使い捨ての鍼が使用されるほか、施術スペースや器具の消毒など徹底した衛生管理が行われるため、施術以外にもコストがかかります。このような「安全性を確保するための費用」が料金に反映されるケースがあります。

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