更年期障害の原因は女性ホルモンだけじゃない?4つの要因と症状・予防法まとめ
目次
更年期障害と聞くと「女性ホルモンが減るから起こるもの」と思っていませんか?
実は、ホルモンの変化だけが原因ではありません。
自律神経の乱れや心理的なストレス、家庭や職場での環境なども大きく影響しています。
急に顔が熱くなったり、理由もなくイライラしたり、夜眠れなくなったり……。これらの症状は、複数の要因が絡み合って起こります。
この記事では、更年期障害を引き起こす4つの要因をわかりやすく説明し、日常生活でできる予防法もご紹介します。
正しい知識を身につけて、自分や家族の健康を守りましょう。
更年期障害は40代前半~50代後半がピーク
更年期障害とは、ホルモンバランスの変化によって起こる、心と体のさまざまな不調のことです。
「更年期」という言葉を聞くと、なんとなく中高年の女性をイメージする方が多いかもしれません。
実は、男性にも更年期障害があることをご存知でしょうか?
女性と男性それぞれの更年期障害について、詳しく見ていきましょう。
女性の更年期障害は、閉経前後の約10年間に起こります。
一般的には45歳から55歳頃で、日本人女性の平均閉経年齢は約50歳です。
この時期になるとホルモンバランスが一気に崩れるため、体がその変化についていけず、さまざまな症状が現れるのです。
症状の現れ方に大きな個人差があり、約2~3割の女性は日常生活に支障が出るほどの重い症状を経験しますが、軽い症状で済む方や、ほとんど症状を感じない方もいます。
男性の場合テストステロンという男性ホルモンが関係していて、30歳頃をピークに、年1〜2%ずつゆっくりと減少していきます。
女性のような急激な変化ではないため、症状が現れるのも40代後半から50代以降とやや遅めです。
特に目立つのは、疲れやすさや気分の落ち込み、やる気が出ないといった症状。
「仕事がきつくなった」「以前のようにパフォーマンスが上がらない」と感じる男性が増えるのもこの年代です。
加齢によるホルモンの低下に加えて、仕事の責任が重くなったり、家庭での役割が変化したり、将来への不安を感じたりと、心理的なストレスも症状に影響します。
このように、更年期障害は女性だけのものではなく、性別や年齢によって症状の現れ方は異なりますが、誰にでも起こりうる体の変化なのです。
なぜ更年期障害になる?主な原因4つ
では、なぜ更年期障害になるのでしょうか。
更年期障害は、大きく分けて4つの原因があります。
これらの原因は、それぞれ独立して働くわけではなく、互いに影響し合っています。
ひとつの症状が強く出ると他の症状も悪化しやすくなり、全体的な体調不良がひどくなるケースもあるのです。
では4つの原因をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
女性ホルモンの減少
更年期を迎えると、卵巣の働きが低下して、エストロゲンの分泌が急激に減少します。
そのため、若い頃のように女性ホルモンの一種であるエストロゲンをしっかり分泌できなくなり、ホルモンバランスが崩れます。
これが更年期症状を引き起こす大きな原因です。
女性ホルモンは、「脳の視床下部」という部分からの指令を受けて、卵巣から分泌されます。
視床下部は、ホルモンの分泌だけでなく、体温調節や呼吸、消化機能、さらには精神活動などをコントロールする自律神経の司令塔のような存在です。
ところが、卵巣の機能が低下すると、脳がいくら指令を送っても、卵巣は十分に応えられません。
すると、脳は混乱して、通常の何倍もの指令を必死に送り続けてしまいます。
その結果、異常な発汗やほてり、イライラ、めまいといったさまざまな症状が現れ、体が変化についていけず、コントロールが効かなくなってしまいます。
自律神経の乱れ
自律神経とは、血圧や心拍、体温、呼吸、消化、代謝、排尿・排便など、生きていく上で欠かせない体の機能を、自分の意思とは関係なく自動的に調整してくれる神経のことです。
実は、女性ホルモンと自律神経は、脳の視床下部という同じ司令塔によってコントロールされています。
そのため、更年期になって卵巣の機能が衰えると、視床下部からの「ホルモンを出して」という指令に卵巣が応えられなくなります。
すると、脳は混乱してパニック状態に。
必死に指令を出し続けるうちに、隣り合わせでコントロールしている自律神経にまで影響が及び、そのバランスまで崩れてしまうのです。
心理的要因による影響
エストロゲンは脳内の神経伝達物質にも影響を与えています。
セロトニンやドーパミンといった、心の安定に関わる物質のバランスが崩れることで、不安感やゆううつな気分が起こりやすくなるのです。
さらに、更年期の年代は、家庭や職場でのストレスが重なりやすい時期でもあります。
親の介護が始まったり、子育ての悩みを抱えたり、仕事での責任が増したりと、心理的な負担が、メンタル面の不調を悪化させる要因になります。
また、更年期は体の変化や人生の役割が大きく変わる時期のため、「以前のように動けなくなった」「自分が弱くなったのでは」といった不安や焦りを感じる方も少なくありません。
社会的要因による影響
更年期の年代は、人生の中でも特に多くの役割を担い、ストレスが重なりやすい時期です。
親の介護、子どもの受験や自立、自分やパートナーの働き方の変化など、環境的な要因によってストレスを抱えやすい時期。
親の介護が始まったり、子どもが思春期を迎えて悩みが増えたり、職場での責任が重くなったりと、対人関係の悩みが重なると、心身への負担が大きくなります。
特に女性は、更年期は仕事、子育て、子どもの自立、介護など心身の負担を強いられる環境ストレスが多く、こうした環境下にいる女性は症状が重くなるとされています。
抱えている悩みが深刻であればあるほど、更年期障害の症状が長引いたり、重くなったりする傾向があるのです。
更年期障害に見られる代表的な症状
更年期障害の症状は、体に現れるものと心に現れるものの2つに大きく分けられます。
症状が重くなると、仕事や家事、日常生活に支障が出ることも少なくありません。
この章では、代表的な症状を詳しく紹介します。
「体」に現れる症状
代表的な症状は「ホットフラッシュ」と呼ばれる、突然の顔や上半身ののぼせ、ほてりです。
これにより、大量の汗をかいたり、動悸や息切れを感じたりすることもあります。
また、月経周期の乱れや肩こり、関節痛、頭痛に悩まされる方も多くいます。
何もしていないのに疲労感が抜けない、肌が乾燥してカサカサする、体重が増えやすくなるといった症状も、更年期によく見られる症状です。
「心」に現れる症状
更年期障害は、心の面にもさまざまな影響を及ぼします。
些細なことでイライラしたり、理由のない不安感に襲われたり、気分が落ち込んで何もやる気が起きなくなるのも、症状のひとつです。
さらに、集中力や記憶力、決断力が低下することも珍しくありません。
物忘れが増えたり、仕事や家事の効率が落ちたりして、パフォーマンスに影響が出ることもあります。
更年期に入る前に知っておきたい予防・対策
更年期障害は、日頃の生活習慣を見直すことで症状を和らげ予防することができます。
ここでは、今日から始められる具体的な対策をまとめました。
栄養バランスの良い食事習慣
更年期の予防には、毎日の食事の見直しが欠かせません。
ビタミン類、食物繊維、大豆イソフラボンを意識的に摂りましょう。
大豆イソフラボンは「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、減少していくホルモンバランスを整えるサポートをしてくれます。
また、更年期以降は骨がもろくなりやすいため、カルシウムを豊富に含む乳製品や小魚、緑黄色野菜を積極的に取り入れることも大切です。
市販の加工食品やお菓子に頼りすぎず、自然な食材を使った手作りの料理を心がけましょう。
有酸素など適度な運動習慣
適度な運動も、更年期対策には効果的です。
ウォーキングや水泳などの有酸素運動を週に3〜4回行うことで、自律神経のバランスが整い、ストレスも軽減できます。
運動は体の健康を保つだけでなく、気分転換や精神的なリフレッシュにもつながります。
自分が楽しめる運動を見つけて、無理なく続けることが大切です。
市販医薬品・サプリメントの服用
軽度の更年期障害であれば、市販薬やサプリメントで対処することも可能です。
ただし、市販薬は、病院でもらう処方薬よりも成分含有量が少ない場合が多く、処方薬ほどの高い効果は期待できません。
特に、症状が重く日常生活に支障が出ている場合は、迷わず専門医に相談しましょう。
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広島周辺にお住まいの方で、更年期障害にお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。