鍼灸で起こる「好転反応」とは?症状の種類・期間・和らげ方を徹底解説!
目次
鍼灸の施術を受けたあとに「だるい」「眠い」「熱っぽい」といった症状を感じたことはありませんか?それは「好転反応」と呼ばれるもので、体が回復へと向かう過程で一時的に起こる自然な反応です。初めて経験すると驚くかもしれませんが、正しく理解しておけば心配はいりません。この記事では、好転反応が起こる理由や代表的な症状、どのくらい続くのか、また不快感をやわらげるための対処法について、わかりやすく解説します。
効いている証拠?鍼灸による「好転反応」とは
鍼灸は、体にある「経穴(けいけつ)」、いわゆるツボを鍼やお灸で刺激することで、気の流れや血行を整え、人が本来持つ自然回復力を高めていく施術です。この施術により、それまで滞っていた血流が促進され、体内の老廃物がスムーズに排出されるようになります。そうした変化の途中で、体が反応し一時的に不調のような症状が現れることがありますが、これが「好転反応」と呼ばれるものです。東洋医学では「瞑眩(めんげん)」とも呼ばれ、体が回復に向かう過程で見られる自然な反応とされています。たとえば、久しぶりに運動をした後に体がだるく感じられるのと同様に、鍼灸によって変化を受けた体が順応しようとする過程で起こるものです。特に、鍼灸が初めての方や、体調が優れない状態で施術を受けた場合は、このような反応が出やすい傾向にあります。
鍼灸でよく見られる主な好転反応の種類
では、好転反応にはどのような症状があるのでしょうか。この章で詳しく解説します。
だるさ・眠気・力が入らない「弛緩反応」
弛緩反応とは、鍼灸などの施術によって筋肉の緊張がほぐれた際にあらわれる好転反応のひとつです。症状は、体のだるさや倦怠感、眠気、疲労感など。これは、緊張状態にあった体がリラックスに向かう過程で、自律神経のバランスが変化することが関係していると考えられています。弛緩反応は、体が「しっかり休みたい」と訴えているサインでもあるため、無理をせず、できるだけ安静にしてゆっくり過ごすことが大切です。
痛みや熱感が一時的に強まる「過敏反応」
過敏反応は、施術によって体の機能が回復し始めた際にあらわれます。一般的には、痛みやかゆみ、腫れ、発汗、便秘、下痢などの症状です。これは、今まで鈍っていた感覚や機能が施術によって刺激を受け、体の中で滞っていた部分が再び動き出すことによって生じる反応とされています。
ニキビ・発汗・下痢などの「排泄反応」
排泄反応は、施術によって体内の老廃物や毒素が外へ排出される過程で生じる好転反応です。このとき、肌や排泄器官に一時的な影響が出ることがあります。ニキビや吹き出物、湿疹などの肌トラブル、あるいは下痢や尿の色の変化などが見られることも。たとえば、美容鍼を受けたあとに顔にニキビや湿疹が出ると驚かれるかもしれませんが、多くの場合は数日で自然におさまります。
過度に心配せず、しばらく様子を見ましょう。
感情が不安定になる・涙が出る「回復反応」
回復反応とは、これまで血行が悪かった部分に血液が巡り始めることで、一時的に不調が現れる状態です。滞っていた古い血液が動き出すことで、発熱や吐き気、腹痛、だるさなどの症状が見られることも。この反応は、施術によって血液やリンパの流れが整い、細胞の働きが活発になる過程で起こると考えられています。この時期を過ぎると体が軽くなり、すっきりとした感覚が得られるでしょう。
その他の一過性症状(微熱・むくみ・頭痛・不快感など)
そのほかにも、頭が重く感じられたりズキズキと痛むことがあります。
また、人によってはむくみや不快感などがあらわれるケースや、まれに微熱程度の発熱が見られることもあり、これは体の免疫機能が活性化しているサインです。「少し熱っぽいかも」と感じたときは、無理をせずゆっくりと休養を取るようにしましょう。通常、こうした症状は1〜3日ほどで自然に落ち着き、体調の改善や機能の向上が期待できます。
どんな人に好転反応が出やすい?体質などの共通点
好転反応のあらわれ方には個人差があり、まったく症状が出ない方もいれば、強い不調を感じる方もいて、反応の有無や程度はその方の体質や施術時の体調によって大きく左右されます。一般的に、以下のような条件に当てはまる方は、好転反応が出やすい傾向があるようです。
- ・初めて鍼の施術を受ける方
- ・吹き出物が出やすい肌質の方
- ・湿疹やじんましんが出ている方
このほかにも、鍼に慣れていない時期や、肌が敏感になっている状態では反応が強く出やすいといわれています。好転反応が出るかどうかは事前に予測できないため、重要な予定を控えている方は、スケジュールに余裕を持って施術を受けましょう。
鍼灸の好転反応はいつからいつまで?症状の継続期間
多くの方は、施術の直後から翌日までのあいだに、だるさや頭痛、眠気、軽い発熱などの症状を感じ始めることが多いようです。これらの反応は通常、1〜3日以内におさまるとされています。ただし、重い咳や息苦しさが現れた場合は、好転反応ではなく気胸などの別の異常が疑われますので、速やかに専門医に相談してください。
鍼灸で好転反応が出たときの正しい過ごし方
好転反応が現れると、体調が一時的にすぐれず、日常生活に支障をきたすことがあるため、施術後は無理をせず、体をゆっくり休めることが大切です。施術後2~3日は予定をなるべく入れず、安静に過ごすのがおすすめ。特に施術当日は早めに帰宅して、リラックスできる時間を持ちましょう。しっかりと睡眠をとることで、症状がやわらぎ、鍼の効果も感じやすくなります。また、施術後はこまめな水分補給も忘れずに。鍼には血行を促す作用があるため、水分を多めに摂ることで体内の老廃物や疲労物質の排出を助けます。だるさや発熱があるとき、肌にニキビや吹き出物が出た場合も水分を摂り、体の回復を助けるとよいでしょう。施術後2~3時間は、激しい運動や飲酒、長時間の入浴など、体温を急激に上げる行動は避けてください。体に余分な負担がかかると、好転反応が強く出たり、鍼の効果が十分に得られなかったりするためです。また、暴飲暴食や消化の悪い食事も避け、できるだけ体に優しい過ごし方を心がけましょう。
好転反応を和らげるには?つらさを軽減するための予防法
好転反応が出てしまい、つらいと感じたときにはどのように対応したらよいのでしょうか。軽減するための予防法を紹介します。好転反応によるだるさや疲労感を軽減するには、軽い運動がおすすめです。たとえば、ウォーキングのような無理のない運動を取り入れることで、倦怠感の緩和が期待できます。ただし、運動によって自律神経が刺激され、かえって眠りにくくなることもあるため、夜間は控えめにしましょう。眠れないと感じたときは、スマートフォンの長時間使用や飲酒を避け、軽いストレッチなどでリラックスできる環境を整えてください。また、まれに施術部位に炎症を感じる場合がありますが、無理をせず冷却用の湿布を使用するなどして様子をみることをおすすめします。
鍼灸の好転反応と揉み返しや副作用との違い
好転反応は、体が本来の健康な状態へと戻ろうとする過程で一時的に現れる症状です。ただ、似たタイミングで起こるものでも、まったく意味が違う反応もあるので、混同しないよう気をつけましょう。代表的な「揉み返し」と「副作用」、それぞれの違いを説明します。
揉み返しとは?
揉み返しは、マッサージや整体などの施術後に起こる筋肉の痛みを指します。筋繊維に負担がかかり、損傷を受けたことで筋肉痛のような痛みが現れることです。施術の力加減や方法によって生じやすく、場合によっては内出血やアザになることもあります。鍼灸においても、刺激が強すぎると揉み返しが起こることがあるため、注意が必要です。
副作用とは?
副作用は、主に薬の服用によって、本来期待されていた作用とは異なる、望ましくない症状が現れることを指します。薬を飲み始めた時だけでなく、服用量が多かった場合やアレルギー反応などによっても生じるケースもあるため注意が必要です。なお、鍼灸にも副作用が存在し、血圧や心拍数が低下し、めまいや吐き気といった脳貧血の症状が出る場合もあります。吐き気は好転反応にも見られるため、施術後に体調の変化があった場合は、すぐに判断せず、しばらく様子をみることが大切です。
こんなときは注意!長引く・悪化したときの対処法
鍼を受けたあとに、強い咳が続いたり、息苦しさを感じたりする場合は注意が必要です。これは単なる好転反応ではなく、「気胸(ききょう)」という肺を包む胸膜に穴が開いてしまう状態で、適切な対応をしないと重症化するおそれがあります。特に、肺の上部(肺尖部)や肋骨のあたりなど、鍼を打つ際に細心の注意が必要な部位に誤って刺鍼すると、起こる可能性があるのです。そのため、施術後に咳が止まらない、胸が苦しいといった症状が見られる場合は、重症化を防ぐためにも我慢せず速やかに専門医に相談してください。
広島周辺で鍼灸の好転反応にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!
広島周辺にお住まいの方で、鍼灸の好転反応にお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。