
アキレス腱炎のセルフチェック法と対処法|痛みの原因や似た症状との見分け方
目次
朝起きて一歩踏み出した瞬間、アキレス腱にピリッとした痛みが走る。あるいは、長時間立ちっぱなしのあとに足首の後ろに違和感が残る。そんな症状があるときは、アキレス腱に疲労や炎症が起きているサインかもしれません。
初期のうちは軽い不快感でも炎症が進むと日常のちょっとした動作にも痛みを感じるようになり、歩くことや階段の昇降がつらくなるケースも。
この記事では、アキレス腱に異変を感じたときに役立つ3つのセルフチェック方法を紹介します。似た症状との見分け方や悪化を防ぐための対処法、医療機関へ相談するタイミングについても、ぜひ参考にしてみてください。
アキレス腱炎のセルフチェック|3つの動作テスト
「アキレス腱炎」とは、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱に炎症が生じた状態を指します。
この炎症は、立ち仕事やスポーツによる負荷のほか、加齢や歩き方・姿勢のクセなど、さまざまな要因で引き起こされます。特に違和感を放置したまま動き続けることで悪化し、慢性化するリスクもあるため注意が必要です。
そこでここでは、自宅で簡単にできる3つのセルフチェック方法を紹介します。医療機関に行く前の確認手段として、日々の体調管理に役立ててください。
①つま先立ちでアキレス腱に痛みが走らないか
まずは、両足を肩幅に開いてまっすぐ立ちます。そのままゆっくりと、かかとを持ち上げてつま先だけで体を支えてみましょう。かかとが浮き、ふくらはぎに力が入る状態を数秒間キープします。
このとき、かかとの上部やふくらはぎの下あたりにズキッとした痛みや張りを感じたら、アキレス腱に炎症や過度の緊張が起きている可能性があります。特に、片方だけに症状が現れる場合は要注意です。
左右の足で痛みの程度に差がある場合、普段の姿勢や歩行フォームに偏りがあることも考えられます。日常生活での負荷のかかり方に無自覚な左右差があると、症状が片方に集中しやすくなるため、慎重に観察しましょう。
②朝の一歩目に違和感やこわばりを感じるか
朝起きて布団から立ち上がった瞬間、かかとの上あたりや足首の後ろ側に引きつれるような感覚を覚えたことはありませんか?最初の一歩でアキレス腱がギクッと固まるように感じる場合、それは炎症のサインかもしれません。
歩き始めてから違和感が落ち着くこともありますが、毎朝のように繰り返すなら慢性的な炎症も疑われます。朝の不快感は体からのサインとして見過ごさないようにしましょう。
③アキレス腱が腫れている・熱を帯びていないか
足首の後ろ側を正面から観察してみましょう。左右のアキレス腱を並べて見比べたときに、どちらか一方がやや盛り上がって見えたり、輪郭がぼやけていたりする場合は、炎症により腱やその周囲が腫れている可能性があります。
次に、手のひらでアキレス腱を包み込むように軽く触れてみてください。片側だけがじんわりと熱を持っていると感じたら、局所的な炎症が進行しているおそれがあります。
目に見える腫れや熱、触れたときの痛みがある場合は、運動や長時間の歩行を控え、アキレス腱を安静に保ちましょう。
アキレス腱炎で痛みが出やすい部位と主な症状
アキレス腱炎の主な痛みの部位はかかとのすぐ上あたり、ふくらはぎとの境目付近です。
特に痛みが強く出やすいのは、階段を下りるときやジャンプの着地、つま先立ちをする動作など。体重がかかと方向へグッと乗ったときや、腱に伸縮の負荷がかかる場面で違和感や鋭い痛みを感じることがあります。
また、スニーカーのかかと部分や靴下の縁がアキレス腱に触れるだけで擦れるような不快感を覚えるケースも少なくありません。さらに、腱の周辺が赤く腫れる・熱を帯びる・盛り上がって見えるなどの炎症兆候がみられることもあります。
こうした症状は、初期段階では軽い痛みや違和感にとどまることが多いものの、無理を続けると徐々に悪化し、歩行や運動に深刻な支障をきたす可能性があります。日常生活で「あれ?」と感じたときこそ、早めに体のサインに耳を傾けることが大切です。
アキレス腱炎じゃないかも?似た症状と見分け方
アキレス腱のあたりに痛みが出たとしても、それが必ずしもアキレス腱炎とは限りません。実際には、似た部位に起こる別の疾患が原因となっているケースも多くあります。
見分けるポイントは、痛みの種類・腫れの位置・動かしたときの反応です。ここでは、アキレス腱炎と間違えやすい代表的な3つの疾患をご紹介します。
アキレス腱周囲炎
アキレス腱そのものではなく、周囲の滑液包や軟部組織に炎症が起きた状態です。見た目には腫れや熱感が目立ちやすく、触れるとやや広い範囲に張りを感じることがあります。
足底筋膜炎
足裏の筋膜に炎症が起こり、かかとの下から土踏まずにかけて痛みが出ます。特に朝起きて最初の一歩に強く痛む点はアキレス腱炎と共通しますが、実際の痛みの位置は足の裏寄りです。
アキレス腱断裂
強い衝撃や急な動きの際に腱が切れてしまう重度の外傷です。「ブチッ」と音がしたような感覚とともに、激しい痛みが走ります。足首が動かせなくなり、歩行も困難になるのが典型的です。
このように、痛みの場所が似ていても原因や重症度はまったく異なります。違和感が続く場合や判断がつかない場合は、無理をせず医療機関へ相談しましょう。
アキレス腱の痛みをやわらげる4つのセルフケア
痛みが軽度であれば、自宅で行えるセルフケアも効果的です。日常生活のなかで無理なく取り入れられる4つの方法を紹介します。
安静&アイシングで炎症を落ち着かせる
アキレス腱に痛みを感じたら、まずは無理をせず、できるだけ患部を安静に保つことが基本です。
腫れや熱感がある場合は、アイシング(冷却)によるケアも効果的。氷や保冷剤をタオルで包み、アキレス腱の痛む部分に10〜15分ほどやさしくあてて冷やしましょう。
ただし、長時間あて続けると皮膚が赤くなったり、しびれるような感覚が出たりするため冷やしすぎには注意が必要です。
痛みが軽くなったらストレッチや筋トレ
痛みが引いてきたら、アキレス腱やふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチを取り入れてみましょう。壁に手をつき、片足を後ろに引いた状態でかかとを床に押し付けるように伸ばすストレッチが効果的です。
また、足指でタオルをつかむような軽い筋トレもおすすめです。柔軟性と筋力のバランスを整えることで再発予防につながります。
テーピング・サポーターで負担を軽減
動かざるを得ない場面では、テーピングや専用のサポーターを使ってアキレス腱の動きを制限し、負担を軽減する方法も有効です。
テープは正しく貼ることで痛みの緩和や動作補助にもつながりますが、自己流では逆効果になることもあるため、最初は専門家に相談しましょう。
湿布や市販薬の活用も有効
アキレス腱に痛みや腫れを感じるとき、市販の湿布や鎮痛・抗炎症薬を取り入れることで、一時的なつらさを軽減できる場合があります。急な違和感や日常生活への支障をやわらげるための、補助的なセルフケアとして活用するとよいでしょう。
ただし、これらの市販薬はあくまでも一時的な症状緩和を目的とした対処法であり、根本的な回復にはつながりません。痛みが長引いていたり、日ごとに強くなるような場合には、自己判断に頼らず早めに整形外科などの医療機関を利用することが大切です。
アキレス腱炎を放置するのは危険?日常生活への影響
アキレス腱炎を放置すると、炎症が慢性化して回復しづらくなる可能性があります。炎症が続くことで、アキレス腱に小さな断裂が生じたり、腱そのものが厚く硬く変性したりするおそれがあるため注意が必要です。
また、歩く・立つといった基本的な動作のたびに痛みが出るようになり、日常生活にも支障をきたすようになります。階段の上り下りや長時間の立ち仕事など、日頃の動きがつらく感じられることも少なくありません。
さらに、無理を重ねてしまうと「アキレス腱断裂」のリスクも高まります。こうなると、手術や長期のリハビリが必要になる場合もあるため、早めの対処が重要です。
自己判断はNG?不安なときは医療機関へ相談を
セルフチェックは便利な反面、見逃しや誤診のリスクもあります。腫れや痛みが数日以上続く場合や、歩行が困難なほどの症状があるときは、早めの対処が重要です。
特に、スポーツ歴がある方や、過去にアキレス腱を痛めた経験がある場合は再発リスクも高いため、自己判断に頼らず整形外科や専門院の診察を受けてください。
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