
志室(ししつ)のツボとは?腰の疲れに効く位置・押し方・注意点まとめ
目次
なんとなく腰が重い、疲れが取れにくい…そんなときに試していただきたいのが「志室(ししつ)」というツボです。腰の疲れや冷えに効果があるとされ、リラックスを促すツボとしても知られています。
正しい位置を知り、やさしく刺激することで、日々の不調をやわらげる手助けになるかもしれません。今回は、志室の場所や押し方、セルフケアで気をつけたいポイントまで、わかりやすくご紹介します。
腎経のツボ「志室(ししつ)」とは?
腰がだるいときや疲れがたまったとき、無意識に背中に手を当てたり押したりしませんか?実は、その場所こそが「志室」と呼ばれるツボで、尿管結石の症状にも使われることで知られています。意識していなくても自然と手が伸びて揉んでしまう場所なので、それだけ体と深くつながっているツボだと言えるのかもしれません。
「志室」という名前は、「室」が部屋や蔵という意味を持ち、「志」は五行説で腎に関わる精神(精・志)を表すことからきています。つまり「志を蔵する場所」という意味が込められて、この名がつけられたとされています。
志室のツボはどこ?正しい位置の見つけ方
志室は、背中のちょうど肘の高さあたりで、少し外側にあるツボです。ウエストのくびれた部分を軽くつかむように手を当てると、親指が自然に触れるあたりが志室の位置。筋肉の上にあって少しかたく感じる場所なので、比較的わかりやすく、腰に不調があるときは、この部分がこっているケースが多いです。
志室の効果とは?期待できる4つの不調改善
では、志室を押すとどんな効果が期待できるのでしょうか。実はこのツボ、腰のだるさや重さだけでなく、冷えや疲労感、さらには排尿に関する不調にも関係していると言われています。
この章では、志室がもたらす代表的な4つの効果についてご紹介します。
腰痛・背中のこわばりをやわらげる
志室は「腰痛のツボ」とも言われるほど、腰の不調に対して効果が期待できるツボです。腰に痛みがあると志室がこりやすくなり、逆に志室がこっていると腰まわりの動きがかたくなる、という関係があります。
さらに、志室が緊張するとお尻の筋肉までかたくなり、股関節の動きが悪くなって腰痛が悪化することもあるほど。日頃から志室をほぐしておくと、筋肉がやわらぎ、肩こりやぎっくり腰の予防にもつながります。
冷えやむくみの改善
志室は、冷えの対策にも効果があるとされています。ぎっくり腰や腰痛、肩こりを起こしやすい人は、筋肉がこわばり、血行が悪くなっていることが少なくありません。志室を刺激することで血流がよくなり、冷えや筋肉の緊張がやわらぎ、冷え性やむくみの改善にもつながると考えられています。
体の内側からじんわりと温まるように感じることもあり、冷えの対策として取り入れられる場合もあります。特に、足の冷えや生理中のむくみに悩む女性は覚えておきたいツボのひとつです。
腎機能・ホルモンバランスを整える
志室は「腎」の働きと深く関わりがあり、慢性的な疲れや腰のだるさ、冷え、泌尿器系の不調などに幅広く使われてきたツボです。
また、腎が関係するとされる耳鳴りやめまい、性機能の低下といった症状にも応用されます。泌尿器や生殖器に関する不調だけでなく、足腰の冷えや体温調節が乱れているような状態にもおすすめ。ホルモンバランスを整える働きも期待できると言われています。
疲労回復・ストレスの軽減
全身に働きかけるといわれる志室は、自律神経に働きかけ、精神的な緊張や疲れをやわらげる効果も期待できます。特に、志室を含めた腰まわりを温めることがポイントです。
使い捨てカイロや蒸しタオルを、腰の中心より少し外側に当てて、じんわりと芯から温まる感覚を意識してみてください。長時間立ちっぱなしや座りっぱなしのあとには、軽く腰をさするだけでも血流がよくなり、ツボのまわりの疲労が軽減されます。
志室の正しい押し方とセルフケアのコツ
では、志室はどのように押すのがよいのでしょうか。効果的なセルフケアの方法をご紹介します。
まず、親指以外の4本の指を肋骨の下あたり、わき腹に軽く添え、親指で左右の志室に触れます。そのまま息を吐きながら、体の中心に向かってゆっくり押していきましょう。
痛気持ちいいと感じる程度の強さで、5秒押して緩める動作を5回ほど繰り返します。強く押しすぎや、長時間の圧迫は避けましょう。
まっすぐ押すのではなく、左右から中心へ向けて圧をかけるのがコツです。また、あらかじめ腰を温めておくと、より効果が感じやすくなります。
押していると指が疲れてしまう方はツボ押し棒や、寝ころんでテニスボールを使用するのも良いでしょう。
志室を押すと痛い!主な原因はなに?
ツボを押すと痛みを感じる方は多くいらっしゃると思います。この痛み、単なる「ツボが効いている」という痛みではなく、体の不調のサインかもしれません。志室を押して痛いときの主な原因を解説します。
筋肉のコリ・張り
志室のまわりには、広背筋や腰の筋肉が集中していて、姿勢の悪さや運動不足が続くと緊張しやすくなります。志室を押して痛みを感じるときは、まず筋肉のこりや疲れがたまっている可能性を考えてみましょう。
ただし、左右どちらか一方だけに強い痛みがある場合は、内臓の不調が関係しているケースもあるため、気になるときは無理をせず専門医に相談するのがおすすめです。
腎臓や泌尿器の不調
東洋医学では、「腎」の経絡に属し、腎の働きと深い関わりがあるとされているのが志室です。腎臓の調子が悪くなると、体のだるさやむくみといった不調が出やすくなります。
頻尿や排尿時の違和感、むくみなど泌尿器の不調が重なっていないかもあわせて確認してみてください。志室を整えることで、尿量の少なさ、慢性的な腎の炎症といった症状の緩和につながる場合もあります。
腰椎・椎間関節の不具合
腰椎のゆがみや、椎間関節の炎症、椎間板ヘルニアなどがある場合にも、志室のまわりに痛みが出やすくなります。ピンポイントでツボを押すのは難しいため、周辺をやさしくもんだり、さすったりと、軽く叩くように刺激してあげるのがおすすめです。カイロなどで温めるのも効果があります。
志室と一緒に!効果を高める関連ツボ
志室周辺には一緒に刺激すると効果を高めるツボが存在します。近い場所にあるため、志室と一緒に押してみましょう。
腎兪(じんゆ)|腎臓の働きをサポート
腎兪は、へその高さで腰に手を当てたとき、親指が自然に触れるあたりにあるツボです。腰の重さや足のだるさ、疲れが取れにくいといった不調のほか、力が入りにくい、トイレが近いなどの症状が気になるときにおすすめです。
これらは東洋医学でいう「腎」の働きの低下と関係があるとされており、腎兪を刺激することでバランスを整える効果が期待できます。
命門(めいもん)|全身の活力を高める
命門(めいもん)は、へその真裏あたり、背骨の中央に位置するツボで、「生命の門」とも呼ばれるほど重要な場所です。全身のエネルギーを底上げしてくれるような働きがあり、慢性的な腰痛や疲れの緩和にも役立ちます。
特に、命門は温めることでより効果が高まると言われており、お風呂で体を温めたあとにマッサージしたり、お灸やカイロを使ったりとじんわり温めてから刺激するのがおすすめです。冷え性や腰痛のほか、生理不順や月経痛など、女性特有の不調にも効果があるとされています。
大腸兪・膀胱兪|便秘・むくみにも有効
大腸兪(だいちょうゆ)はその名のとおり、「大腸の不調を整える場所」という意味が込められています。便秘や下痢など排便に関する悩みに加え、腹部の張りや腸の痛み、食欲がわかないといった消化器系の不調にも効果があると言われているツボです。
また、腰痛やお腹の痛みの緩和にも用いられることがあります。あわせて覚えておきたいのが膀胱兪(ぼうこうゆ)です。こちらは膀胱炎や頻尿などの泌尿器系の不調に加え、腰痛や坐骨神経痛のケアにも役立つツボとして知られています。
広島周辺でツボについてお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!
ツボの刺激は、腰痛や冷え、疲れの改善に役立つだけでなく、日常の不調を整える手助けにもなります。特に腰まわりのツボは、体の深部にアプローチできる重要なポイントです。正しい位置や押し方を知ることで、セルフケアの効果もぐっと高まります。
広島周辺で「ツボを押しても効いているかわからない」「自分の体にケアを知りたい」と感じている方は、ぜひセラピストプラネットへご相談ください。あなたに合った施術をご提案いたします。