臼蓋形成不全の手術の費用相場は?原因や検査方法・放っておくとどうなるかを解説!
目次
「股関節に違和感がある」「立ち上がるときに痛む」そんなお悩みをお持ちではありませんか?その症状、もしかすると臼蓋形成不全かもしれません。
臼蓋形成不全は、股関節の構造に生まれつき異常がある状態で、女性に多く見られます。
放っておくと変形性股関節症へと進行し、将来的に手術が必要になることも。この記事では、原因や検査方法、手術の費用相場まで詳しく解説します。
臼蓋形成不全とは?
臼蓋とは、股関節の骨盤側にある「受け皿」のような部分です。大腿骨の骨頭(ボール状の部分)がこの臼蓋にしっかりはまり込むことで、安定してスムーズに動くことができます。臼蓋形成不全は、この受け皿が十分に発達しておらず大腿骨頭を十分に覆えていない状態です。そのため、股関節にかかる力が一部分に集中し、次第に軟骨がすり減りやすくなってしまいます。
臼蓋形成不全の原因は?
股関節は、歩行や立ち上がりなど日常の動作の中で、体重の何倍もの力を支える役割を担っています。その中でも、大腿骨の先端にある「骨頭」を受け止める「臼蓋」の構造は非常に重要です。臼蓋の受け皿が小さかったり、覆う範囲が狭かったりすると、負荷が一部分に集中しやすくなり、関節に無理が生じます。これは、ハイヒールで踏まれると痛いのと似た現象です。
一般的には、骨頭が臼蓋に80〜90%ほど包まれている状態が、負荷分散において理想的とされています。
しかしながら、以下のような場面で股関節に余計な負荷がかかると、関節の軟骨にダメージが蓄積されやすくなります。
- 思春期の運動量の増加
- 出産や加齢による体重の変化
- 長年にわたる姿勢や生活習慣の影響
こうしたストレスが重なると、軟骨が徐々に傷ついていき、次第にすり減っていくことで、変形性股関節症の原因になることがあります。
臼蓋形成不全の検査方法は?
臼蓋形成不全の検査方法には、年齢を問わずX線(レントゲン)による画像検査が基本となります。股関節の骨の形や、骨頭がどれほど臼蓋に覆われているかを確認することで、変形の有無や重症度を評価します。
特に乳児期の場合は、以下のような生活歴や出生状況からリスクを見極めるスクリーニング項目があり、日本小児整形外科学会では次の5点に着目するよう提言しています。
性別による判断
女児は男児に比べて関節が柔らかいため、股関節が不安定になりやすく、臼蓋形成不全の発症リスクが高いとされています。
家族に関節の悪い人がいないか
家族の中に股関節の病気を持つ人(例:先天性股関節脱臼や変形性股関節症)がいる場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります。
生まれる時に逆子だったか
逆子(骨盤位)で出生した乳児は、子宮内での脚の動きが制限されやすく、臼蓋がうまく形成されないケースが多く見られます。
寒い地域や寒い時期に生まれたか
赤ちゃんの向き癖が強く、片脚がM字型に開かない、あるいは開きに左右差があるときは、股関節の発達に偏りがある可能性があります。
臼蓋形成不全の手術の費用相場は?
臼蓋形成不全に対する外科的アプローチには、病状の進行度や年齢に応じて以下の2つの手術が主に行われます。
① 骨切り術(こつきりじゅつ)
自分自身の骨を切って再配置することで、股関節への負荷を分散させる手術です。臼蓋(骨盤側のくぼみ)や大腿骨の角度を修正し、骨頭が安定して臼蓋に収まるように調整します。比較的若年層で変形が進行していない場合に適応されることが多いです。
費用総額(10割負担):約80万~100万円
自己負担(3割負担の場合):約24万~30万円
入院期間:およそ2〜3週間(術後リハビリを含む)
② 人工股関節置換術(THA)
股関節の軟骨や骨がすり減ってしまっている場合に行われる手術で、傷んだ関節を人工の金属製・樹脂製の関節に置き換える方法です。
費用総額(10割負担):約120万~150万円
自己負担(3割負担の場合):約36万~45万円
入院期間:およそ2〜3週間(術後の歩行練習・生活訓練あり)
高額療養費制度の活用
日本の医療制度では、高額な医療費が発生した場合、一定の自己負担限度額を超えた分が払い戻される「高額療養費制度」があります。この制度を利用することで、実際の自己負担額を軽減することが可能です。
臼蓋形成不全になったらすぐに手術をするべき?
臼蓋形成不全になっても、すぐに手術が必要とは限りません。
患者さんの年齢や生活スタイル、職業、股関節の状態によって改善方針は大きく異なります。
たとえば、プロスポーツ選手やバレエ・ダンスに取り組む若い方にとっては、手術により可動域が制限されるリスクもあるため、夢や目標とのバランスを見ながら方針を決めていくことが大切です。
軽度であればまずは経過観察をし、骨の成長が落ち着いた段階で再評価するケースもあります。手術を先延ばしにすることで状態が進行してしまっても、最終的には人工股関節などの選択肢があるため、改善の手段がなくなるわけではありません。
臼蓋形成不全を放っておくとどうなる?
臼蓋形成不全の股関節は、大腿骨の骨頭を支える「臼蓋」が浅く不安定なため、関節に加わる力が一点に集中しやすく、軟骨がすり減る原因になります。そのままにしておくと、次第に「変形性股関節症」へと進行し、次のような症状が現れる可能性があります。
- 歩くと足の付け根が重く、だるい痛みが出る
- 関節が変形し、可動域が狭くなる
- 体重を支えづらくなり、びっこを引くような歩行になる
初期には「ただの疲れ」や「腰の痛み」だと思い込み、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛と誤診されるケースも少なくありません。長期間痛みに悩まされているのに改善が見られない場合は、専門家に相談しましょう。
広島周辺で臼蓋形成不全でお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!
「足の付け根が痛む」「股関節が開きにくい」「歩くと違和感がある」
それは、臼蓋形成不全が関係しているかもしれません。
臼蓋形成不全は、進行すると変形性股関節症へとつながることもあるため、早期のケアと正しい知識がとても大切です。
- 股関節が「コキッ」と鳴る・引っかかる感じがある
- 長く歩くと足の付け根が重く感じる
- 手術は避けたい、日常生活の中でケアしたい
広島周辺にお住まいの方で、上記の症状がある方や、臼蓋形成不全にお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。