
顎関節症の症状・原因・治し方|悪化させないための対策と予防法
目次 [非表示]
「顎関節症かも?」顎の痛みを感じて、そう思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
顎の痛みや口の開けづらさなどを起こす顎関節症は近年増えており、日本人のうち半数以上の人が、一生のうちに経験する病気だと言われています。
今回は、そんな身近な病気である顎関節症の症状や原因、治し方や予防法について解説します。
食べる、話す、呼吸するなど、顎は健やかに生きるためにとても大切な部位です。
ぜひ最後まで読んで、顎関節症への理解を深めてください。
顎関節(がくかんせつ)とは
顎関節とは、頭蓋骨の一部である側頭骨と、下顎の骨である下顎骨をつないでいる関節です。
下顎を動かす役割を持っていて、食べる・飲む・話すなどの機能を支えています。
顎関節に関する病気で、代表的なものが顎関節症です。
日本や欧米諸国で十数年前から増えており、「先進国病」とも呼ばれています。
口を開けると痛い?それ、顎関節症かも!
顎関節症は、顎を構成する骨や筋肉、靭帯などの異常によって起こる病気です。
代表的な症状を下記に挙げます。
- ・ 口を開けたり、物を噛んだりする時に顎が痛む
- ・ 口を大きく開けられない、左右にスムーズに動かない
- ・ 口を開け閉めする時に、「カックン」「コッキン」というような音が鳴る
これらの症状は、特に朝起きてすぐに感じることが多いようです。
また、人によっては顎が閉じられなかったり、頭痛や耳の詰まり、舌の痛みなどを感じたりすることもあります。
顎関節症になる主な原因5つ
食事や会話で痛みが出たり、うまく動作が行えなかったりと、厄介な顎関節症。
ではなぜ顎関節症になってしまうのでしょうか。主な原因をお伝えします。
噛み合わせのズレ
上下の噛み合わせのズレは、顎の発達のアンバランスや咀嚼の癖、虫歯や歯周病、歯の被せ物や詰め物、加齢など、さまざまな原因で起きます。
噛み合わせが不良であると顎関節に負担を掛けるため、顎関節症の原因となります。
ストレスによる筋肉の緊張
精神的ストレスも顎関節症の原因となり得ます。
直接的に顎に負荷を掛けるわけではありませんが、ストレスは筋肉の緊張を高め、歯の食いしばりや歯ぎしりの原因となるのです。
歯ぎしり・食いしばりの影響
歯ぎしりや食いしばりは、体重の数倍、場合によっては1トン以上の圧力がかかると言われます。
これは、時には歯が欠けたり、詰め物が割れたりするほどの強い力。
しかも食事のように歯の間に食物を介在しないため顎への負担も大きくなるので、顎関節症を引き起こすことがあります。
猫背などの悪い姿勢
意外かもしれませんが、悪い姿勢が顎関節症の原因になることも少なくありません。
猫背の姿勢では必然的に顎を前に突き出すので開口しづらくなり、長時間続けていると絶えず顎に負担がかかることになります。
また、頬杖をついていると歯並びが左右にズレたり、顎に頭の重さがかかることで下顎の後退を招いたりして、顎関節症のリスクを上げてしまいます。
ケガや顎への強い衝撃
下顎は顎関節によって側頭骨にぶら下がっているにすぎず、その構造上、外からの力には弱いです。
転倒や事故によって衝撃が加わると関節が傷付き、顎関節症を発症することがあります。
顎関節症は放置するとどうなる?
顎の痛みや口の開けづらさを感じても、すぐに対応せずそのままにしてしまう方もいるでしょう。
放置を続けるとどうなっていく可能性があるのか、下記に解説します。
慢性的な痛みが続く
顎の痛みが慢性的に続いたり、少し口を開けるだけで痛みを感じたりします。
口が開きにくくなる
開口できる範囲が徐々に狭くなり、食事や会話にも支障を来たすことがあります。
顎の変形につながることも
顎関節症が進み、顎変形症となる可能性もあります。
顎変形症は顎の骨の形状異常や、上顎と下顎の大きさのアンバランスがみられる病気です。
顔面の変形といった見た目の問題だけでなく、姿勢不良や睡眠時無呼吸症候群の原因にもなります。
頭痛や肩こりを引き起こす
顎の筋肉の緊張が続くことで、近くにある首や肩の筋肉も緊張状態になり、頭痛や肩こりを起こします。
また、顎の痛みで体に力が入ることも、肩こりを招く要因となります。
顎関節症で病院は何科?相談するタイミング
顎関節症という病名を聞くと、耳鼻科や整形外科をイメージする方もいるかもしれませんが、相談すべきなのは口腔外科です。
口腔外科とは歯科の診療科の一つで、口の中や顎などに対して外科的な対処を行うのを専門としています。
顎関節症が疑われる場合は、口腔外科を掲げている歯科の病院・クリニックにかかるのが良いでしょう。
病院に相談するタイミングですが、痛みが強かったり口が開かなかったりして日常生活に支障を来す場合はなるべく早めに、軽い痛みの場合でも1週間以上続くのであれば相談をしましょう。
きちんと対処することで症状の悪化を防ぎ、早期に症状を和らげられます。
費用に関して、顎関節症の対症療法には医療保険が適応されることが多いようです。
3割負担であれば3,000円〜8,000円程度の費用負担となります。
顎関節症の治し方とは?症状に応じたケア方法4つ
顎関節症のケアは痛みを和らげ、生活に支障が出ないように口を開けやすくする目的で行われます。
代表的な治し方は以下の4つです。
スプリント療法(マウスピース)
スプリント療法の目的は、歯ぎしりによる顎への負担を軽減することです。
方法としては、その人にあったマウスピース型の装置を作成して就寝時に装着します。
一般的には3ヶ月から1年程度の期間を要する療法です。
理学療法(マッサージ・ストレッチ)
顎関節症の理学療法では、主にマッサージやストレッチが行われます。
硬くなった顎周りの筋肉をほぐして血流を改善させることで、痛みなどの症状を緩和できます。
薬物療法(鎮痛薬や筋弛緩薬など)
鎮痛薬や筋弛緩薬は、対症療法として痛みを抑える目的で使用されます。
顎関節症の原因としてストレスが考えられる場合は、抗うつ薬や抗不安薬が使われることもあります。
外科的療法(手術は稀なケース)
顎関節症に対しては、上記に挙げたような保存療法を行うことがほとんどです。
外科的療法である手術は関節の癒着や強い変形がある場合に選択されますが、その数は全体の1%程度です。
手術にはいくつかの種類がありますが、ほとんどが全身麻酔下で行われ、数日の入院期間を要します。
顎関節が痛い時に避けるべき食べ物
顎関節が痛む時でもきちんと栄養は摂らなければなりません。
しかし、食べることで症状を悪化させてしまうものもあります。避けるべき食品を、以下にご紹介します。
硬い食べ物
顎に痛みがある時は、関節の安静が必要です。
顎関節に負担を掛けやすい、硬い食べ物は避けましょう。
具体的には硬い肉やおせんべい、りんご、ナッツ、フランスパンなどです。
口を大きく開ける食べ物
大きく開口することも顎関節への負担となります。
ハンバーガーや骨付きの肉などをそのまま食べるのは避けて、小さめの一口サイズにカットしましょう。
顎関節症の予防法!日常で気をつけたい習慣
顎関節症は、日々の習慣に気をつけることで予防できる病気でもあります。
下記のことに気をつけて、顎関節を守りましょう。
姿勢を正して顎の負担を減らす
日中や睡眠時の姿勢に注意して、顎に大きな負担を掛けないことが重要です。
座る時は猫背にならないよう、足の裏全体が床に付く高さの椅子を選び、座面に深く腰掛けましょう。
睡眠時の姿勢として、特に顎への負担が大きいのはうつ伏せです。
横向きでも少しずつ顎関節がズレることがあるので、なるべく仰向けで、自分に合った高さの枕を使って寝ましょう。
バランスの良い食事で顎を丈夫に保つ
顎関節症の予防・改善において、ビタミンDや食物繊維、たんぱく質といった栄養素が有効であることがわかっています。
栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
適度な運動で血の巡りを改善する
全身の血流が悪くなると筋肉はこわばりますが、それは顎周りの筋肉も同様です。ストレッチやウォーキングなど、適度な運動で血流を促進させましょう。
定期的な歯科検診で早期発見を目指す
定期的な歯科検診も、顎関節症の予防には大切です。
歯や噛み合わせの状態をチェックすることで、痛みなどの症状が出始める前に対処ができます。
広島周辺で顎関節症にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!
顎関節症の症状が辛い時は、整体の施術を受けるのもおすすめです。
患部の筋緊張をほぐし、全身の骨格バランスを整えることで顎の負担を軽くできますよ。
広島周辺にお住まいの方で、顎関節症でお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。
セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。
どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。
どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。
一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。