腰部脊柱管狭窄症の禁忌肢位は?術後にしてはいけないことも解説!

腰部脊柱管狭窄症の悪化を防止するためには、禁忌肢位といって悪化を加速させる行動を取らないことが大切です。

禁忌肢位は症状の悪化や再発につながります。

今回の記事では、腰部脊柱管狭窄症の禁忌肢位や術後に行ってはいけないこと、おすすめのリハビリ方法などをご紹介します。

腰部脊柱管狭窄症の禁忌肢位は?

腰部脊柱管狭窄症の禁忌肢位は腰部に負荷が大きくなるような動作を避けることがポイントとなります。

間違った動作で腰の負荷をかけ続けると腰痛の悪化や再発につながります。

高いところにあるものを無理にとらない

高いところにあるものを取る時などに両手を上に上げる動作は腰が大きく反ることになります。

無理に取ろうとすると、腰椎に大きな負担がかかるため、腰部脊柱管狭窄症の症状が悪化することがあります。

日常生活の中だと、キッチンの上の棚から重い鍋をとったり、職場で棚から重い道具を取り出したりするなどの動作が該当し、腰に負担がかかるタイミングは意外と多く潜んでいます。

高いところにあるものを取る際は、椅子や脚立などを使って無理なく手の届く高さにしてから取るようにしましょう。

低いところにあるものを一気に持ち上げない

低いところにある重いものを一気に持ち上げる動作は、腰に大きな負担をかけて脊柱管狭窄症の症状を悪化させるリスクがあります。

例えば、床に置いた重い箱を一気に持ち上げようとすると、椎間板や神経に負担がかかります。持ち上げる際は、まず膝を曲げてしゃがみ、腰が真っ直ぐになった状態を作ってから物を持ち上げるようにしましょう。

この動作により、腰椎への負担を最小限に抑えることができます。

猫背にならないよう背筋を伸ばす

猫背の姿勢は、腰部脊柱管狭窄症の症状を悪化させる一因です。

猫背になると、腰椎が前方に曲がるため、脊柱管がさらに狭くなって神経を圧迫します。

日常生活では、背筋を伸ばして過ごすことを意識しましょう。

スマホやパソコンを使っている時に姿勢が崩れて猫背になります。

実際に使用している時、気付いたら姿勢が悪くなっていた、なんてことはありませんか?

猫背は意識しないと改善できないため、姿勢を見直す習慣を持つことが重要です。

意識することが難しい場合は座り方を工夫することもおすすめです。

スマホやパソコンを使う時は、椅子に深く座って背もたれに背中をしっかりとつけましょう。

こうすることで、背中が自然なカーブを描けるので、正しい姿勢を継続しやすくなります。

長時間座り続けない

長時間座り続けることも避けましょう。

座り姿勢は、腰椎に負担がかかり血流が悪くなるため、腰部脊柱管狭窄症の症状を悪化させる原因になります。

仕事柄、どうしても座り姿勢が長くなってしまう場合は、サポートクッションを使うことがおすすめです。

コロナ禍以降、自宅で仕事をする人が増えたため、すでに使っている方は多いかもしれません。

自然な座り姿勢を保ちながら、負担がかからないようにサポートできるため、腰に負担がかかりにくいだけでなく、疲れにくい点も魅力です。

可能であれば、立ち上がる回数を増やして、腰への負担を軽減しましょう。

腰部脊柱管狭窄症の術後の禁忌肢位は?

一般的にはプレートと呼ばれる金属の固定具を挿入して狭窄を広げる手術が一般的です。

その術式を用いた際には腰を反らし過ぎることや、猫背になり過ぎることは避けてください。

また、腰をひねるような動作も金属部分に大きな負担がかかるので注意しましょう。

2週間程度は運転を控える

腰部脊柱管狭窄症の手術後は、2週間程度は運転を控えましょう。

座ったままの状態でアクセルとブレーキを踏む動作は、腰に大きな負担がかかります。

また、運転状況や交通状況によってはアクセルやブレーキを素早く操作しなければならないケースがあり得ます。

そのため、術後すぐの運転は危険を伴うため、推奨されていません。

術後2週間程度が経過したら、専門家の指示に従って短時間から始めるようにしましょう。

また、術後はじめての運転ではまだ痛みを伴う場合が考えられるため、一人で運転するのではなく家族や友人に一緒に乗ってもらっていつでもサポートをしてもらえる対策を行いましょう。

痛みがある場合は運動を控える

術後のリハビリは回復のために重要ですが、すぐに開始するのではなく痛みがある程度治ってから始めるようにしましょう。

術後にいきなりリハビリを始めると、痛みを引き起こして悪化する原因になることがあります。

また、痛みがある状態で無理に運動をしてしまうと手術した部分に負担がかかるため、再発のリスクも高まります。

術後のリハビリの開始時期は、専門家に相談してから、できる範囲で行うようにしましょう。

また、リハビリを開始してからも、いきなり体をひねったり反ったりする姿勢は大変危険なので、軽い運動から取り入れるようにしましょう。

腰部脊柱管狭窄症の術後のリハビリは何を行う?

いくつかの禁忌肢位をご紹介しました。

腰部脊柱管狭窄症の術後はストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリを行って回復を目指します。

ここでは、簡単にできるリハビリ方法をご紹介します。

ストレッチ

・ハムストリングストレッチ

  1. 椅子に座り、片方の脚を前に伸ばし、かかとを床につけます。
  2. 背筋を伸ばしながら、ゆっくりと体を前に倒し、ハムストリング(太ももの裏)が伸びるのを感じます。
  3. 20秒間キープし、反対側も同様に行います。

・腰の回旋ストレッチ

  1. 仰向けに寝て、膝を曲げ、両足を床につけます。
  2. 両膝を揃えて右側に倒し、左肩が床につくようにします。
  3. 20秒間キープし、反対側も同様に行います。

・キャットカウストレッチ

  1. 四つん這いの姿勢になり、背中を丸めながら息を吐きます(キャットポーズ)。
  2. 次に、背中を反らしながら息を吸い込みます(カウポーズ)。
  3. この動作をゆっくりと10回繰り返します。

筋力トレーニング

・ブリッジエクササイズ

  1. 仰向けに寝て、膝を曲げ、両足を床につけます。
  2. 腰をゆっくりと持ち上げ、肩から膝まで一直線になるようにします。
  3. 5秒間キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。これを10回繰り返します。

・ヒップアブダクション

  1. 横向きに寝て、下側の足を曲げ、上側の足をまっすぐに伸ばします。
  2. 上側の足をゆっくりと持ち上げ、5秒間キープして下ろします。これを10回繰り返します。
  3. 反対側も同様に行います。

・クアドリセプスストレングス

  1. 椅子に座り、片方の膝を伸ばし、足をまっすぐに上げます。
  2. 5秒間キープし、ゆっくりと元の位置に戻します。これを10回繰り返します。
  3. 反対側も同様に行います。

腰部脊柱管狭窄症でお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください!

今回は腰部脊柱管狭窄症の禁忌肢位や、術後にしてはいけないことなどを解説しました。

特に手術後は、痛みをぶり返したり悪化させたりしないために慎重に行動することが大切です。

脊柱管狭窄症で日常的に痛みを感じていたり術後の動きについて気になったりしている場合は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。