腰椎椎間板ヘルニアのストレッチ&やってはいけないストレッチを解説!
腰椎椎間板ヘルニアに対する対処法に、手術をせずに保存療法を選択するケースがあります。
その時に重要なのが姿勢を修正して症状の軽減を図るためのストレッチです。
今回は腰椎椎間板ヘルニアの方に対しておすすめのストレッチと行ってはいけないストレッチをご紹介します。
腰椎椎間板ヘルニアの症状は?
神経系を圧迫する疾患で、症状に腰痛や下肢痛があります。
神経系の症状で生じるのはそれだけではなく、足の痺れや力の入りにくさや起き上がる時の腰痛、いきなり立ち上がる時の痛みもあるでしょう。
安静時にも痛みが生じる方や重症の方では膀胱直腸障害(排尿時や排便時に残る残尿感や我慢ができなくなる、便秘など)や、性機能の障害もあります。
腰椎椎間板ヘルニアの検査方法は?
使われるのはレントゲン、MRI、CTの3種類です。
それぞれ目的が異なっており、下記のように使い分けをします。
腰椎椎間板ヘルニアは腰椎と腰椎の間の椎間板の症状なのでレントゲンで骨の状態を、MRIで椎間板の状態、CTで脊柱管の状態を確認します。
・レントゲン
レントゲンは、腰椎椎間板ヘルニアで最も基本的な検査方法です。
レントゲン撮影をすることで骨の構造や配置を確認できます。
腰椎の骨が正しい位置にあるか、また変形しているかを確認することで、ヘルニアかどうかを判断します。
ただし、レントゲンでは軟部組織や椎間板自体の詳細な情報を得ることは難しいため、椎間板の具体的な状態や神経の圧迫を直接確認することはできません。
そのため、レントゲンは初期の段階で骨の異常を確認するために用いられ、さらに詳しく知るために他の検査方法が併用されます。
・MRI
MRIは、椎間板による神経組織の圧迫具合や、椎間板の変形の程度を確認するために必要となります。
磁場と電波を利用して体内の断面画像を撮影し、軟部組織の状態を詳細にチェックできます。
MRIは放射線を使用しないため、安全性が高いということが特徴です。
腰痛やしびれなどの症状が続く場合にはMRI検査を行い、今後の改善方法を検討していきます。
・CT
CTは、脊柱管の形態を確認するのに最も適した方法です。
角度によって椎間板のすべりなども確認することができます。
MRIと比べると、CTは軟部組織のチェックにはやや劣るものの、骨や椎間板の状態を把握することに優れています。
【部位別】腰椎椎間板ヘルニアのストレッチ方法
腰椎椎間板ヘルニアの原因は長時間の不良姿勢やスポーツなどの突然の衝撃や外傷です。
どちらの原因にも共通している特徴が、股関節周囲の硬さです。
そのため、ストレッチをしてさらに増悪するリスクを軽減しましょう。
【大腿前面】ストレッチ方法
・床の上で座って行うストレッチ
- 片足を90度に曲げて立て膝にします。
- 反対側の足を後ろに引き、体を起こします(この時に後ろに引いた足の太ももの前面が伸びている感じがあればOKです)。
- 30秒を目安に伸ばしてください。
・仰向けでのストレッチ
- うつ伏せで寝て膝を曲げる。
- 足首を掴んで背中に引き寄せて太ももの前面を伸ばす。
- 1分程度を目安に実行してください。
【太もも】ストレッチ方法
・床に座って行うストレッチ
- 伸ばしたい方の足を伸ばし、もう片方の足は曲げておきます。
- 伸ばしたい方の膝を少し曲げ、足首を掴みます。
- 太ももの裏が伸びている感じがあればOKです。
- 1分程度を目安に実行します。
・立ちながら行うストレッチ
- 椅子に座り、両足首をそれぞれの手で掴みます。
- そのまま立ち上がり、膝を伸ばします。
この時に太ももの裏とふくらはぎが伸びている感じがあればOKです。
30秒を目安に実行してください。
※体が硬く、前屈がほとんどできない方はお風呂上がりなど体が柔らかくなっているときに行ってください。
また、絶対に無理をしないようにしましょう。
【お尻】ストレッチ方法
・床に座った状態で行うストレッチ
- 床に座った状態で片膝を曲げます。
- 反対側の足首を曲げている状態の膝の上に乗せます。
- 最初に曲げた膝を抱えて膝と体の距離を近づけます。
- 30秒を目安に実行してください。
・椅子に座って行うストレッチ
- 片方の足首を膝の上に乗せます
- 乗せた足の膝を両手で持って体に抱えるように近づけます
- 30秒程度を目安に実行してください
【タオルを使った】ストレッチ方法
・ハムストリングスのストレッチ
- バスタオルを用意して仰向けに寝ます。
- バスタオルの両端をそれぞれの手で持ち足の裏に引っ掛けます。
- 少しだけ膝を曲げたまま、股関節から足を上げ、太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばします。
・胸の前の筋肉を伸ばすストレッチ
- 両手を背中に回します。
- 両手でタオルを掴み、胸をそらして胸筋を伸ばします。
- 30秒程度を目安に実行してください。
【ポールを使った】ストレッチ方法
・胸の前の筋肉を伸ばすストレッチ
- ポールの上に膝を立てて仰向けに寝ます(※この時に腰椎の負荷軽減のため、腰が反らないようにしてください)。
- 胸を張り、両手を真横に広げ、手は耳の横に来るようにします。
- 胸が伸びている感じがあればOKです。
- 30秒を目安に実行します。
【寝転がってできる】ストレッチ方法
・腰椎周りの筋肉のストレッチ
- 両膝を立てた状態で寝ます。
- 両膝の下に両手を回して抱え込みます。
- 骨盤の上の部分の筋肉が伸びてる感じがあればOKです。
- ④30秒程度を目安に実行します。
・お尻の小さな筋肉のストレッチ
- 仰向けに寝ます。
- 片膝を立てて内側に倒します。
- 股関節の付け根部分が伸びていたらOKです。
腰椎椎間板ヘルニアでやってはいけないストレッチは?
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板が飛び出して神経系を圧迫する疾患なので、腰椎が反りすぎるようなストレッチは避けてください。
症状として強い痛みやしびれを引き起こす場合がありますが、ストレッチの内容によっては悪化させてしまうことがあります。
避けるべきストレッチは、前屈を伴うものです。
前屈をすると腰椎に大きな力がかかってしまうため、飛び出ている椎間板がさらに飛び出してしまう危険性があります。
次に、背中を反らせるストレッチも避けましょう。
腰を大きく反らせると、椎間板に大きな負荷をかけてしまうことがあり、症状の悪化につながります。
回復の遅れにもつながるため、避けることがおすすめです。
そして、ツイストのようにねじるストレッチも避けましょう。
腰をひねる動作も椎間板に負荷をかけてしまいます。
座った状態や寝た状態で腰をひねると悪化の原因になります。
腰椎椎間板ヘルニアのストレッチは、無理のない範囲で行いましょう。
ここで先ほどご紹介したストレッチの場合でも、途中で痛みを感じたらすぐにやめるようにしましょう。
痛みがなく無理せずにできるストレッチを定期的に行うことで、症状の改善につながります。
腰椎椎間板ヘルニアのストレッチはセラピストプラネットにご相談ください!
今回は腰椎椎間板ヘルニアのストレッチについてご紹介しました。
ストレッチは腰椎が反るようなものは避け、股関節周りを伸ばすように心掛けましょう。
ヘルニア改善のためや、ストレッチのやり方などの詳しいことについては、ぜひセラピストプラネットにご相談ください!