脊柱管狭窄症の治療方法は?高齢者が受ける内容・馬尾型の治し方を解説!
脊柱管狭窄症の治療方法には保存療法と手術療法があり、病院に来院された方であればどちらの療法で進めるかなどを担当のお医者様と相談されたことがあるでしょう。
今回は脊柱管狭窄症の種類と保存・手術療法ともにどのような治療があるのかなど詳しく解説します。
脊柱管狭窄症とは?
名前の通り、腰周囲の脊柱管と呼ばれる、足を動かしたり感覚をつかさどる神経が走っている管が狭まり、神経や栄養を送るための血管が圧迫される症状のことです。
神経の管や脊髄を外部から守っているのは骨だけでなく、椎間板や靭帯といったさまざまな組織があります。
これらのいずれか、もしくは複数が同時に異常をきたすことによって発症します。
脊柱管狭窄症の種類は?
脊柱管狭窄症には3種類があり、神経根型、馬尾型、混合型に分かれます。
これらは圧迫される部位も症状も変わります。
・神経根型
脊髄(馬尾)から分岐した神経の根元、神経根と呼ばれる部位が圧迫される状態です。
神経根は左右に分かれ、片側だけに症状が出ることが特徴です。
・馬尾型
先に述べた脊髄が圧迫される症状のことです。
腰椎以下の脊髄を馬尾と呼びます。
左右・下肢の前面・後面と広範囲の症状が特徴であり、重症の場合感覚異常や排尿障害等をきたすのも症状の一つです。
・混合型
神経根型と馬尾型の混合症状となります。
先に述べた広範囲の症状と左右どちらかの強い症状が特徴となります。
脊柱管狭窄の治療方法は?
手術療法と保存療法、さらに運動療法の3種類があります。
一つずつ詳しくご紹介します。
手術療法
・除圧術
神経を圧迫してしまっている腰椎の椎骨、椎間板、後方にある神経などを切り取って圧迫から除圧する術式です。
・脊椎固定術
プレートと呼ばれる金属や人工骨という人の骨に近い物質を使って、神経を圧迫してしまっている腰椎の歪みを修正する方法です。
滑り症などの際にも用いられます。
・除圧術+固定術
除圧術を行った結果、椎間板や腰椎が不安定な状態に陥ってしまう際に固定術も同時に行う場合があります。
保存療法
保存療法には薬物療法も含まれます。
・神経根ブロック注射
疼痛や痺れの酷さからブロック注射を選択する方もいます。
これは痛みや痺れに関する神経伝達物質を抑制する成分を注射することで症状の軽減を目指す方法です。
・非ステロイド消炎鎮痛剤
腰痛・下肢痛に対する薬剤です。
例:ロキソプロフェン、ロルノキシカム、メロキシカム
・筋弛緩薬
過度な腰背筋の緊張を生じている場合に処方されます。
例:塩酸エペリジン
・ビタミンB12
神経障害を合併している際に処方されます。
例:メコバラミン
・末梢循環改善薬
馬尾や神経根の圧迫による血液循環障害を改善します。
例:リマプロストアルファデクス
運動療法
運動療法では姿勢の改善による圧迫の軽減で疼痛軽減や痺れの軽減につなげます。
・腹筋トレーニング
①膝を曲げて仰向けになる。
②体を肩甲骨まで起こします。
痛みが生じたりして困難な方は同様の姿勢にて頭部を挙げるだけでも効果がありますのでお試しください。
・腹圧上昇トレーニング
腹筋のトレーニングと類似した内容となりますが、
①仰向けで膝を曲げて息を吐きながらお腹を凹ませます。
②凹ませた状態で保持しながら通常通り呼吸します。
そのまま生活することで、日常生活中も十分にトレーニングすることが可能です。
・殿筋トレーニング
腰痛の方に共通することが多いのが殿部の筋肉が弱いことです。
①股関節を動かしにくくなることで腰椎ごと動かしてしまい痛みが生じることがあります。
②仰向けで膝を曲げ、両手は胸の前に置いてお尻をあげましょう。
10回を1日3回程度行うことが出来るとベストでしょう。
・腰部のストレッチ
①仰向けに寝ます。
②両膝を両手で抱えて引きつけ、前弯しすぎた腰椎を後弯させます(腰が浮かなくなるように)。
③30秒程度繰り返し、3セットほど行います。
・股関節周辺の筋肉のストレッチ
①椅子に座る。
②曲げた膝を抱えてお尻の筋肉を伸ばす(1分程度)。
・太ももの前面のストレッチ
①うつ伏せで寝て膝を曲げる。
②足首を掴んで背中に引き寄せて太ももの前面を伸ばす(30秒程度)。
・ハムストリングスのストレッチ
①バスタオルを用意して仰向けに寝ます。
②バスタオルの両端をそれぞれの手で持ち足の裏に引っ掛けます。
③少しだけ膝を曲げたまま、股関節から足を上げ、太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばします(30秒程度)。
・ふくらはぎのストレッチ
一般的にアキレス腱を伸ばすと言われているストレッチが推奨されます(1分程度、反動はつけないように)。
脊柱管狭窄症の高齢者に多い治療内容は?
余生の中で痛みや痺れを軽減するために手術の選択肢をとる場合もありますが、運動療法や薬物療法で疼痛とうまく付き合う方もいます。
脊柱管狭窄症の治療の注意点は?
脊柱管狭窄症になった場合、いくつかの注意点があります。
ここでは、注意点についてご紹介します。
・無理に歩かない
歩くことで間欠性破行という下肢に痛みが生じてしまう状態になることがあります。
腰への負荷が強く、そのまま歩くことで症状が悪化するため無理に歩かないようにしましょう。
自転車漕ぎや水中歩行のような痛みが出にくい動きで筋力を維持しましょう。
腰への負荷が軽い有酸素運動がおすすめです。
・日頃から姿勢の見直しを行う
日頃からの姿勢の悪さが、脊柱管狭窄症を悪化させます。
腰に負担をかけないように、座っている時の姿勢や立っている時の姿勢を鏡で見ながら確認し、修正しましょう。
脊柱管狭窄症の治療でお困りの方はセラピストプラネットにご相談ください!
脊柱管狭窄症についてご紹介しました。
普段の姿勢の見直しなど、脊柱管狭窄症改善のためには、一人で悩むよりも専門家に相談する方が早期に対処できます。
現在お悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。