ツボ押しで激痛を感じるのはなぜ？避けるべき症状と効果的な押し方

ツボ押しで激痛を感じるのはなぜでしょう？
スッキリしたいけど、あの痛みに耐えられない…ツボ押しは激痛というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

痛いほど効くと考える人も少なくありませんが、実際には、押し方や体の状態によっては逆効果になる場合もあります。
この記事では、ツボの基本的な役割から、正しい押し方、部位別・症状別に効果的なツボを紹介します。
ツボ押しの効果を最大限に引き出し、日常の不調を和らげるためのポイントをチェックしていきましょう。

そもそもツボって何？東洋医学における役割

ツボとは、東洋医学において体の不調を整えるための重要なポイントです。
しかし、ツボには明確な物理的な構造がなく、解剖学的に特定できるものではありません。
では、なぜツボが存在すると考えられているのでしょうか？

 

古くから、人は自然に痛む部分をさすったり押したりすることで、症状が和らぐことを経験してきました。
その積み重ねにより、特定の部位を刺激すると体調が改善することがわかり、ツボとして体系化されてきたのです。
この考え方は世界的にも認められており、現在WHO（世界保健機関）によって361のツボが定められています。

 

ツボは、東洋医学の「気（き）」の概念に基づいています。
気とは、生命活動を維持するエネルギーのことで、体内を巡ることで健康を保つと考えられているのです。
健康な状態とは、気がスムーズに流れている状態を指します。
気の流れが滞ると体のバランスが崩れ、さまざまな不調が現れると言われているのです。

 

気は、「経絡（けいろ）」と呼ばれる体内の通り道を通って全身を巡ります。
この経絡には「経穴（けいけつ）」と呼ばれる気の出入り口があり、これがいわゆるツボです。
ツボは経絡に沿って全身に分布しており、刺激を与えることで気の流れを調整し、臓腑の働きを整える効果があると考えられています。

 

西洋医学は、病気の原因を特定し、投薬や手術によって改善を目指すことを基本としています。
一方、東洋医学は、体全体のバランスを整えることで、自然な回復を促す考え方に基づいている医学です。

 

ツボは、東洋医学の中でも重要な役割を果たしており、指圧やマッサージ、鍼灸などを通じて体の調子を整えるために活用されています。

老廃物の塊？ツボを押すと激痛が走るのはなぜ？

では、ツボを押すと激痛が走るのはなぜでしょうか？
ツボの痛みの主な原因は、対応する臓器や器官の不調による反応です。

 

ツボを押すと痛みを感じる原因の一つに、溜まった老廃物があります。
体内で不要になった尿酸や乳酸などの老廃物は、リンパの流れに乗って運ばれ、最終的に汗や尿として排出されます。
しかし、血行不良や代謝の低下によって酸素不足になると、老廃物の排出が滞り不調として現れることがあるのです。

 

特に、心臓から最も遠い足裏は血液やリンパの流れが滞りやすく、老廃物が溜まりやすい部位です。
足裏のツボを押したときに痛みを感じたり、ゴリゴリとしたしこりのような感触がある場合、それは老廃物の蓄積のサインといえます。

ツボを押して血行を促進することで、老廃物の排出が進み、痛みが和らぐ場合もあります。

「痛いほど効く」は本当？ツボ押しNGな症状と注意点

実は、足つぼマッサージは痛ければ効果が高いわけではありません。
足つぼを強く押すほど効果があるという科学的な根拠はなく、過度な刺激は逆効果になることもあります。

ツボ押しの基本｜痛みを和らげて効果を高めるコツ

足つぼを押すときの強さは、「痛気持ちいい」と感じる程度が理想的です。
強く押すほど効果が高いわけではありませんが、適度な刺激は必要です。

ツボと臓器はつながっており、臓器の不調があると、対応するツボに「押すと痛い」「色が変わる」「硬くなる」といった変化が現れることがあります。
東洋医学ではこの関係を活用し、目に見えない内臓の状態を判断します。
筋肉の凝りや痛み、内臓の不調、疲労やストレスの緩和を目指すのがツボ押しです。

 

ツボの場所
ツボの位置には個人差がありますが、押したときにじーんと響くような感覚がある場所がツボの目安です。

 

ツボ押しの方法
ツボ押しは6秒間かけてゆっくり行います。
1～3秒で息を吐きながら徐々に力を入れ、4～6秒で息を吸いながらゆっくり力を抜きましょう。
ひとつのツボを5～6回繰り返し押してください。
手や足のツボは、痛みのある側から押し、次に反対側も同様に刺激します。

 

ツボ押しの注意点
強い痛みや炎症、腫れがある場合は、反対側の手足のツボを押すようにしましょう。
刺激が強すぎると逆効果になるため、気持ちいいと感じる程度の強さで行います。

 

ツボ押しを避けるべきタイミング
・発熱時や血圧の変動があるとき
・炎症、傷、腫れ、吹き出物がある部分
・食後すぐや飲酒時

【部位別】体の痛みを和らげるツボガイド

この章では体の部位別に痛みを和らげるツボを紹介します。
気になる症状がある方は試してみてはいかがでしょうか。

頭がズキズキ…頭痛に効くツボ

・天柱（てんちゅう）…後頭部の髪の生え際で、僧帽筋（首の後ろの筋肉）のすぐ外側にあるツボ
肩こりや首のコリが原因となる緊張型頭痛の緩和に効果があります。

・風池（ふうち）…後頭部の髪の生え際で、僧帽筋と胸鎖乳突筋の間にあるツボ
風池は首や肩の血流を促し、脳の活性化や疲労回復に効果があります。

・太陽（たいよう）…目と眉毛の端を結んだ線の中間点から、指2本分ほど外側に位置しているツボ

自律神経に働きかけることで、目の疲れや脳の疲労を和らげる効果があります。
眼精疲労が原因で頭痛が引き起こされるVDT症候群や、こめかみがズキズキと痛む片頭痛の緩和にも役立ちます。
仕事や勉強で疲れを感じたとき、集中力ややる気が低下したときにも、太陽はおすすめのツボです。

ガチガチになった肩をほぐすツボ

・肩井（けんせい）…首のつけ根と肩先を結ぶ線の中央にあるツボ
肩井のツボの下には太い動静脈が通っており、このツボを刺激することで頭部や肩周辺の血流が促進され、頭痛や肩こりの緩和に役立ちます。

・合谷（ごうこく）…手の人差し指と親指の骨をたどり、交わる部分のやや人差し指寄りにあるツボ
合谷を刺激すると、腕から首にかけての筋肉を緩める効果が期待できます。
筋肉がほぐれることで、目の疲れや肩こりの軽減にもつながります。
デスクワークやパソコン作業が多い方におすすめのツボです。

 

腰が痛くて動けないときのツボ

・腎兪（じんゆ）…背中側のウエストライン上、背骨から指2本分ほど外側の位置で肘や最も下にある肋骨と同じ高さに位置するツボ
腎兪は、ぎっくり腰や腰痛に効果があることで知られるツボです。
腰に痛みや重さを感じたときに刺激すると、血行が促進され、痛みの緩和につながります。
さらに、腰背筋の緊張をほぐし、背骨や姿勢を整える効果も期待できます。

・大腸兪（だいちょうゆ）…腰骨の最も高い位置を結んだ線上で、背骨から左右に指2本分外側の位置にあるツボ
腰痛の緩和に効果があり、腸の働きを促進することで便秘やお腹の不快感を和らげるツボです。
下痢や坐骨神経痛の改善にも役立ちます。

 

生理痛をラクにするツボ

・三陰交（さんいんこう）…内くるぶしから指4本分上の高さにあり、すねの内側に位置するツボ
女性特有の症状に対して最も代表的なツボです。
婦人科系の不調に効果があるとされ、生理痛の緩和が期待できます。
さらに、生理痛を悪化させる要因の一つである「冷え」に対しても効果があるといわれています。

・帰来（きらい）…おへそから指の横幅4本分下、さらにそこから、指の横幅３本分（4cm）に位置するツボ
生理痛の緩和に効果があり、婦人科系の不調や膀胱のトラブルの改善にも役立ちます。

 

しみる・ズキズキする歯の痛みを和らげるツボ

・歯痛点（歯痛点）…手のひらの薬指と中指付け根のあいだにあり、虫歯、歯周病の痛みに広く効くツボ
虫歯、歯周病の痛みに効果があります。

・内庭（ないてい）…足の甲側の人差し指と中指の股の部分にあるツボ
上の歯や歯茎の痛みに効果を発揮します。

 

【症状別】体の不調を和らげるツボガイド

次に症状別におすすめのツボを紹介します。

鼻が詰まって息苦しいときのツボ

・迎香（げいこう）…小鼻の横、ほうれい線上にあるツボ

鼻水や鼻づまりなど、鼻症状の解消に役立ちます。

 

・印堂（いんどう）…両眉の間の中央にあるツボ

頭の疲れを和らげるツボでもあり、鼻づまりによる集中力の低下を改善するのにも効果的です。

二日酔いで辛いときのツボ

・内関（ないかん）…手首のシワから腕の方へ指3本分、手を握ったときにできる2本の腱の間にあるツボ

吐き気や胃の不快感、頭痛、不眠などの症状に効果があります。
胸を開いて気の流れを整える作用があり、ストレスによる動悸や息切れの緩和にも期待できます。

 

眠気を吹き飛ばすツボ

・中衝（ちゅうしょう）…中指の爪の生え際より2～3mm下のツボ

もう片方の手の親指と人差し指で中指を挟み、深呼吸に合わせてゆっくり強めに押しましょう。
眠気覚ましだけでなく、気持ちを落ち着かせる効果があり、ストレス解消にも役立ちます。

胃のもたれをスッキリさせるツボ

・足三里（あしさんり）…膝を軽く曲げた状態で、お皿のすぐ下にある内側と外側のくぼみのうち、外側のくぼみから約5cm下がった前脛骨筋の上に位置するツボ

 

胃酸の分泌を促し、胃の痛みや胃もたれを和らげます。さらに、腸の働きを活性化し、便秘の改善や腸内環境の調整もできるツボです。

便秘でお腹が張るときのツボ

・支溝（しこう）…手の甲側、手首から指幅4本分のところの中央にあるツボ

敏感な方は、3秒ほど軽く押すだけで便意を感じることも。
これは、支溝の刺激が腸の蠕動運動を促進するためです。
また、支溝の刺激には自律神経のバランスを整える作用もあり、ストレスや不安が原因で起こる便秘の改善にも効果が期待できます。

自宅で使える！ツボ押しに便利なグッズ

ツボ押しは鍼灸院や整体で受けられますが、ツボ押しグッズを活用すれば、自分の好きなタイミングで手軽にケアできます。
使用部位ごとにさまざまなタイプが販売されているため、コリや疲れが気になる部位に合ったグッズを選ぶのもおすすめです。

 

・家で使う場合
大きめサイズや重さのあるツボ押しグッズ、床に置いて使うローラータイプやマットタイプがおすすめです。
持ち運びは難しいですが、寝転んだり乗ったりして使えるため、自宅での使用に適しています。
また、大きめや重いグッズは室内での移動が大変なこともあるため、購入前にどこに置くかを決めておくと便利です。

 

・持ち運びもする場合
小型タイプがおすすめです。
片手で使えるローラーやブラシタイプ、ツボ押し棒などのコンパクトなものは、バッグに収納しやすく持ち運びにも便利です。

 

・注意点
ツボ押しグッズを使用する際は、力の入れすぎに注意が必要です。
無理に強く押すと、アザができたり、もみ返しが起こったりして、かえって症状が悪化する可能性があります。

 

広島周辺でツボ押しの激痛にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください！

ツボ押しで強い痛みを感じる原因には、筋肉のこりや血流の滞り、老廃物の蓄積、内臓の不調などが関係しています。
適切な力加減で行えば、血行促進やリラックス効果が期待できますが、無理に押しすぎると逆効果になることもあります。
広島周辺にお住まいの方で、ツボ押しの激痛にお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。