アキレス腱炎とは？かかとが痛い原因と症状・検査方法・改善までの流れを解説！
目次
歩くときや走るときに、かかとやふくらはぎに鋭い痛みを感じたことはありませんか？
その原因のひとつとしてアキレス腱炎が挙げられます。
そのままにしておくと症状が悪化し、日常生活や歩行もつらくなる可能性があるため注意が必要です。
今回は、アキレス腱炎の基本的な仕組みから、発症の原因、症状の特徴、病院で行う検査の流れ、そして改善方法までをわかりやすくご紹介します。
アキレス腱炎とは
人体の中で最も強く、太い腱とされているアキレス腱。
急な動きによって強い負荷がかかると、損傷し炎症を引き起こすことがあります。
このような状態はアキレス腱炎と呼ばれ、特にランニングやマラソンなどで繰り返し使い過ぎると発症しやすくなります。
また、日頃あまり運動をしていない人がいきなり体を動かした場合も、同様にアキレス腱炎になる可能性があるため注意が必要です。
思わぬ動作が引き金となり、痛みが出るケースも少なくありません。
アキレス腱炎で見られる症状
特に歩行やランニングといった動作中に違和感を覚えるケースが多く、かかととふくらはぎの間が腫れて痛みが出ます。
悪化すると痛みで日常動作がつらくなることもあり、足首を思うように動かせなくなるため、日常生活にも支障をきたしかねません。
安静にしていても痛みが残ることがあり、慢性化する前に対処することが大切です。
アキレス腱炎で痛くなる場所
アキレス腱炎は、主に2つの部位に発症しやすいとされています。
ひとつは、かかとの骨にごく近い場所で、アキレス腱付着部と呼ばれている部分です。
もうひとつは、ふくらはぎとかかとの中間あたり、アキレス腱がやや細くなっている部分で、アキレス腱中央部とも言われます。
運動中にかかと周辺が痛む、つま先立ちをした際や歩きはじめにかかとに違和感が出るといった症状が見られることも。
さらに、アキレス腱の腫れが確認できる場合は、アキレス腱炎の可能性が高いと考えられます。
参照元：アキレス腱炎 | 慢性痛治療の専門医による痛みと身体のQ＆A
アキレス腱炎になりやすい人の特徴
アキレス腱炎は、年齢や性別に関係なく誰にでも起こりうる疾患です。
しかし、日常的にアキレス腱を酷使するスポーツ選手、とくにランナーやバスケットボール選手のようにジャンプやダッシュを繰り返す方は、負担が大きく発症しやすい傾向があります。
加齢によっても腱の柔軟性が低下するため、中高年の方もリスクが高まるといわれています。
また、靴の構造にも原因があるのをご存じでしょうか。
多くの靴はトゥスプリングと呼ばれるつま先が少し反り上がった形で、歩行を助ける役割がありますが、一方で足や足指の形を変えてしまう原因にもなります。
トゥスプリングはアキレス腱に余分な緊張を与え、足首の後ろ側への血流を妨げる可能性があります。
その結果、足首まわりの組織が変性する大きな要因となることもあるのです。
アキレス腱炎の主な原因2つ
アキレス腱炎が起こる背景には、大きく分けて2つの原因があります。
ひとつはランニングやジャンプなどでアキレス腱に繰り返し負荷がかかること。
もうひとつは加齢により腱の柔軟性が低下し、特に40代以降で負担が大きくなることです。
この2つについて詳しく解説していきます。
繰り返される負荷
アキレス腱は筋線維が束ねられた構造を持ち、強大な力を伝達できる反面、柔軟性に乏しい特徴があります。
そのため、一度傷がつくと弾力性が低下しやすく、これが慢性化の大きな要因となるのです。
特にアキレス腱下部1〜2cmの領域は血流が乏しく、自然治癒力が十分に働かないため、微細な傷が蓄積しやすい部位です。
急激な負荷や不適切なトレーニングによって発症しやすく、スポーツ競技者や日常的にランニングを行う人に多く見られます。
加齢（主に40代以降）
加齢によってアキレス腱の柔軟性や弾力が失われると、炎症を起こしやすくなります。
アキレス腱はコラーゲンというたんぱく質で構成されていますが、年齢とともにこのコラーゲンの質が低下すると、腱が硬くなり傷つきやすくなるのです。
長時間の立ち仕事や階段の上り下り、買い物などで歩き回る動作は腱に負担を与え、炎症の引き金となることも。
急な方向転換や小走りの動きにも注意しましょう。
アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎の違い
アキレス腱炎は、炎症が起こる部位によって大きく2つに分類されます。
・アキレス腱炎
アキレス腱そのものに炎症が生じた状態を指します。
・アキレス腱周囲炎
アキレス腱の周囲を覆うパラテノンと呼ばれる薄い膜状の組織に炎症が起こったものです。
パラテノンは腱の代謝を助け、保護する役割を持ち、さらに摩擦を減らす働きもあります。
周囲炎では足首を上に曲げた際に強い痛みを感じたり、靴を履いているときだけ痛みが出るといった特徴が見られます。
アキレス腱炎の検査方法
アキレス腱炎の検査方法は以下の通りです。
診察・触診
まず自覚症状を確認し、どのようなときに痛みが出るのかを詳しく伺います。
次に触診では、アキレス腱の腫れや圧痛の有無を調べ、さらに足関節を動かしたときに痛みの部位が移動するかどうかを確認。
痛みが移動する場合はアキレス腱炎、移動せず一定の場所が痛い場合はアキレス腱周囲炎が疑われます。
超音波検査（エコー検査）
超音波を用いてアキレス腱の状態を詳しく調べることができます。
レントゲンには映らない腱や靭帯、筋肉の損傷、内出血などを確認できるのが大きな特徴です。
さらに、関節を実際に動かしながら検査できるため、組織の動きをリアルタイムで観察できる点もメリットといえます。
アキレス腱炎が痛むときの対処法3つ
アキレス腱炎による痛みは、放置すると慢性化する恐れがあります。
この章では、症状が出たときに実践できる3つの対処法をまとめました。
湿布で炎症をやわらげる
湿布には炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。
アキレス腱とかかとがつながる部分や、腫れている箇所に貼りましょう。
温湿布は血流を促すため、かえって炎症が悪化するおそれがあるため、消炎成分を含んだ冷湿布を選んでください。
剥がれやすいときは、サポーターで固定するとよいでしょう。
テーピングで痛みを和らげる
テーピングには、アキレス腱を守りながら日常動作や運動をサポートする効果が期待できます。
- アキレス腱の痛みを軽減する
テーピングによってアキレス腱への負担を分散させることで、痛みを和らげることができます。
ランニングやジャンプではふくらはぎの筋肉が大きく働くため腱に強い力が加わりますが、テーピングで筋肉を補助し足首の動きを制限することで負担を軽減。
- 立つ・歩く動きをサポートする
痛みのせいで立つ、歩くといった基本動作がしにくい場合にもテーピングは効果的で、筋肉の働きを助けながら痛みを抑えて、日常生活での動きをスムーズにします。
- アキレス腱炎の再発を予防する
アキレス腱炎の再発は、足首の関節の不安定さや、足の筋肉が十分に機能していないことが要因のひとつです。
テーピングで足首を安定させ、ふくらはぎの筋肉をサポートすることで、発症や再発の予防が期待できます。
また、運動を再開する際にも、テーピングはアキレス腱の負担を減らせるためおすすめです。
インソールで足への負担を減らす
自分の運動量や体力に合ったシューズ選びは重要ですが、インソールも組み合わせて使うことで、より高いサポート効果が期待できます。
足裏のアーチを支えるインソールを使用すると、余分な動きを抑えられ、アキレス腱への負担軽減に効果的です。
ストレッチで柔軟性を高める
アキレス腱炎を起こしたときには、ストレッチを取り入れるのがおすすめです。
ふくらはぎやかかとの痛みを和らげることで筋肉の柔軟性を保ち、再発予防を期待できます。
腓腹筋を伸ばすストレッチ
ふくらはぎの表層にある腓腹筋を伸ばすことで血流が良くなり、アキレス腱への負担を和らげる効果があります。
- 体の右側を壁に向けて立ち、右手を壁につける
- 右足を大きく前に出して体重を乗せる
- 左足のかかとを床から離さず、ふくらはぎをしっかり伸ばす
- ゆっくり体重を後ろに戻し、再び前にかける動作を数回繰り返す
- 足を入れ替え、反対側も同じように行う
ヒラメ筋を伸ばすストレッチ
腓腹筋のストレッチと同じように、アキレス腱の負担を軽くする効果が期待できます。
- 膝の高さほどの台に右足を乗せる
- 右膝を曲げて体重をかけ、左足のふくらはぎを伸ばす
- ゆっくり体重を後ろに戻し、再び前にかける動作を数回繰り返す
- 足を入れ替えて、反対側も同じようにストレッチする
参照元：アキレス腱炎の痛みにはストレッチがおすすめ！手順やポイントを解説 | ボディケアのすべて by KINMAQ整体
アキレス腱炎が改善するまでの目安期間
アキレス腱炎を改善するためには、まず2〜6週間の安静やスポーツの休止が必要です。
多くの場合、1〜2ヶ月ほどで元の運動に復帰できるようになりますが、再発を防ぐためには徐々に負荷を戻していくことが大切です。
さらに、アキレス腱のストレッチを毎日続けることで回復を助け、3ヶ月ほどの継続が望ましいとされています。
アキレス腱炎は自然に回復する？放置によるリスクと注意点
アキレス腱炎は自然に回復する場合もありますが、適切な施術を行うことで早期の改善が期待できます。
そのためには、まず休息と保護が欠かせません。
アキレス腱にかかる負担を減らし、炎症を落ち着かせることが大切です。
逆に、症状を放置してしまうと痛みが長引き、慢性化して回復が遅れる恐れもあります。
再発を繰り返すこともあり、炎症が続くことで腱が硬くなり、最悪の場合は断裂を招く危険性も。
強い痛みが続けば、立ち上がる、座る、歩くといった日常の動作にまで支障が出てしまうのです。
そのため、アキレス腱炎の症状を感じたときには、無理をせず安静にし、必要に応じて専門医に相談することが重要です。
広島周辺でアキレス腱炎にお悩みの方はセラピストプラネットにご相談ください！
広島周辺にお住まいの方で、アキレス腱炎病にお悩みの方は、ぜひセラピストプラネットにご相談ください。セラピストプラネットは広島県広島市を拠点としている整骨院で、広島県内に10店舗を構えています。どの店舗も最寄り駅から徒歩1〜13分程度というアクセスの良さが特徴の一つです。どんな些細な症状でも、お気軽にご相談ください。一人ひとりの原因を突き止めて、解決への道筋を探し、一緒に改善を目指していきましょう。
